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クロスボーダーM&Aの変遷
株式会社アミダスパートナーズ
2012/3/1

1.はじめに

 「日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)は総額5兆円を超え、過去最高になったことが分かった。」(日本経済新聞、2011/12/29朝刊)

  昨年度は、震災の影響もあり、国内でのM&Aが低迷する中で、武田薬品工業様によるナイコメッド様の買収など大型のクロスボーダー案件が成約し、上記のように日本企業による海外企業のM&A(以下、In-Outという。)が過去最高の結果となりました。本年度もその流れは継続しており、本稿では、クロスボーダーM&Aについてこれまでの変遷を振り返っておきたいと思います。

2.クロスボーダーM&Aの変遷

 下図は、1996年以降のクロスボーダーM&Aの件数推移です。

1996年以降のクロスボーダーM&Aの件数推移です

 ご覧のとおり、2000年のITバブル当時に一旦ピークを迎え、2007年には、海外企業による国内企業のM&A(以下、Out‐Inという。)増加によって、当時の過去最高の件数となりました。その後、サブプライムローンに端を発したリーマンショック等により、M&A件数が減少傾向にありましたが、2009年度からのIn-Out案件の増加により、昨年は過去最高の買収総額となったことは前述したとおりです。

3.日本企業による海外企業のM&Aについて(In-Out)

 以下、In-Out案件につきまして、買収地域別の推移を取り纏めました。

In-Out案件につきまして、買収地域別の推移を取り纏めました

 ご推察のとおりかと思いますが、東南アジアでのM&Aの伸びが全体の数字を押し上げています。東芝様や黒田電気様のマレーシアやベトナムでの買収など様々な業種でのM&Aが実行されています。その他の地域においても、米国が若干低迷していますが、欧州なども堅調に推移した結果、昨年度の実績となったものかと思います。むしろ欧州につきましては、欧州全体が低迷する中で、逆にこれまででは中々買収等が難しかった案件なども俎上に上り、円高を背景に堅調な推移となったものと推察されます。また、キリンホールディング様やアサヒグループホールディング様などは、オーストラリアやブラジルなど多地域に渡り買収を実行されております。今後益々地域の多様化も進むものと思います。

4.海外企業による日本企業のM&Aについて(Out‐In)

 一方で、Out‐Inは、2007年度をピークに減少傾向にあります。2007年度は、シティーグループ様による日興コーディアルグループ様の買収などの金融関連のM&Aやモルガンスタンレーグループ様によるANAホテルマネジメント様他のM&Aなど不動産関連のOut‐In案件が多数成約した年でした。国内企業の資金調達が難しい状況の中での、海外企業による買収が活発化した時期でした。
 以下が海外企業を地域に分けたOut‐In案件の推移です。

海外企業を地域に分けたOut‐In案件の推移です

 2007年度は、米国企業によるM&Aが増加しましたが、リーマンショック以降急減しました。また、中国等アジア地域からの買収もそれほどの伸長が無いのが現状です。震災や原子力発電所の事故などに起因する様々な制約があることが要因かと思いますが、海外からの投資を呼び込ことも国内産業の活性化には重要なことであり、今後の大きな課題かと考えます。特区などの設置により、海外からの投資がよりやり易くなるよう整備していくことも重要かと考えます。

5.終わりに

 クロスボーダーM&Aについては、今後益々件数、金額共に増加していくものと思われます。日本での成長戦略を描くことが非常に難しい中で、グローバル企業への足掛かりとして、海外での買収を検討されている企業様も多いと思います。実際、弊社におきましても、クロスボーダー案件が増加傾向にあります。今後益々東南アジアを中心としてIn-Out 案件が増加していくものと思われ、弊社としましても、そのようなニーズにお応えしていきたいと考えております。また、Out‐Inの案件につきましても、国内の活性化に繋がるものについては、積極的に取組を行い、海外のノウハウ等を活用して、更なる発展をめざしていけるような環境整備の一助になれればと思っております。

以上

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