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深化するM&A
株式会社アミダスパートナーズ
2010/1/4

 今回のコラムでは、昨年のM&A案件の中で、特に印象に残った3つの案件を取り上げさせていただきます。今後、皆様がM&Aを検討する上で何らかのご参考になれば幸いです。

 今回取り上げさせていただく案件は、次の3件になります。一つ目は、7月に公表されたキリンホールディングス株式会社とサントリーホールディングス株式会社の経営統合案件、二つ目は6月に公表されたカルビー株式会社とPepsiCoの資本提携案件、そして三つ目は、10月に公表されたJUKI株式会社子会社のMEBO(Management Employee Buyout)案件です。

キリンホールディングス株式会社とサントリーホールディングス株式会社の経営統合案件

 一つ目のキリンホールディングス株式会社とサントリーホールディングス株式会社の経営統合案件は、消費財を扱われている企業同士でもあり、皆様の記憶に新しいところかと思います。今後成長があまり望めない国内マーケットでの競争に終始するのではなく、よりグローバルな展開を視野に入れ、国内では勝ち組と言われている企業同士が統合し世界市場を目指すという、まさに企業価値向上の為のM&Aです。

 実際に両社は、統合発表の前後も積極的に海外企業の買収や提携を行い業容の拡大を図っています。独占禁止法の問題やストラクチャー(特に資本構成)など残された課題も多いとは思いますが、是非とも成功して欲しい案件の一つです。少ないパイを取り合うばかりではなく、新しいマーケットに果敢に挑戦する、その一方で、挑戦するための土台をしっかり作るといった戦略は、国内消費が低迷し、経済環境の厳しい時代だからこそ必要であり、このような攻めに転じる為の日本企業同士のM&Aが増加することを期待したいと思っています。

カルビー株式会社とPepsiCoの資本提携案件

 二つ目にあげさせていただいた案件も海外市場を睨んでの資本提携案件です。本件は、非公開企業であり業績も安定したオーナー系企業のカルビー株式会社が、米国大手食品メーカーであるPepsiCoとの資本業務提携を選択したことに特徴があります。自らが、海外の会社を買収し、世界市場を獲得する方法もあり得たとは思いますが、自らは得意なマーケットに特化し、PepsiCoの経営資源(特に海外展開)を活用することを企図された戦略的な資本業務提携案件です。

 同様の選択肢を取られたのが、先日公表された、Volkswagenとスズキ株式会社の資本業務提携です。独自で無理な事業展開をせず、グローバルでの競争を見据え、相手方の経営資源を有効に活用する為の資本政策を打つ、このような戦略的なM&Aの考え方も今後極めて重要になると思います。両社の役割分担やそれに伴う利益配分、資本のあり方など検討を深めていかなければいけない課題もあるとは思いますが、今後の事業展開に注目させていただきたいと思います。

JUKI株式会社子会社のMEBO

 三つ目は、JUKI株式会社のMEBO案件です。弊社でも、上場企業の事業部門、子会社、孫会社のご相談を多数いただいており、示唆に富んだ案件として取り上げさせていただきました。

 事業の選択をする中で、事業部門、子会社、孫会社については、他社への売却、親会社への吸収、清算など様々な選択肢が検討にあがります。親会社の基準からするととても利益貢献にならないと判断される会社(事業部門)であっても、上場企業の子会社、孫会社であるからこそ必要となってしまう内部統制やIRなどの管理業務の軽減化により、十分成り立つ企業もあるのではないかと思います。そうした中で、MEBOのように、その会社を良く知る役員や従業員が株式を持ち、企業経営にあたることは、役職員のモチベーションアップにもなり、極めて有効な手段かと思います。

 売却される親会社にとっても、従業員の雇用確保、地域社会への貢献、かつ清算を選択するよりも工場用地や機械などの活用により、経済的にもプラスになる、極めて有効な出口戦略です。簡単に、清算という選択肢を採用するのではなく、これまでの企業価値を活かせる方法を十分検討することも極めて大切なことかと思います。

深化、発展するM&A

 以上、昨年のM&A案件の中で、印象に残った案件を取り上げましたが、従前に比べますとM&Aの質が大きく変化し、更に深化、発展してきているということを強く感じています。M&Aは、企業規模の大小や公開・非公開に関わらず、全ての企業に共通する事業戦略になりました。企業価値向上を目指す中で、どのような戦略が必要なのか、自ら創り上げるのか、それとも買収なのか、事業を切り出して他社と統合するのか、はたまた自らの資本を第三者に委ねるのか、選択は多岐に渡ります。

 また、M&Aを考えることは、自らの企業や事業を評価・検証することでもあります。その中で、他社との競争を考え、如何なる選択をすることが、自社の発展に繋がるのか、あらゆる可能性を検討することが、益々重要になってきます。自らの強みを活かした活力ある事業展開(M&A)により、日本企業の活力が上がり、日本全体の停滞ムードが払しょくされることを期待したいと思います。

日本企業の活力向上のためにサポートしたい若手経営者の方々のM&A

 最後に主題からは少し外れますが、日本企業の活力向上という観点で、是非サポートしていきたいM&Aがあります。それは、事業拡大意欲があり、熟知している同業の買収を希望している若手経営者の方々のM&Aサポートです。今の延長線上では、事業拡大に時間がかかり過ぎ、M&Aを活用したいという若手経営者が多数いらっしゃいます。同業若しくは同業周辺のM&Aならば、業界も熟知しており、案件を見極めた上でM&Aを行えば、企業価値を向上させることが可能です。

 しかしながら、現在は、マーケット環境が厳しく、なかなか資金の出し手がありません。一時期のブーム的なM&Aとは異なり、地に足をつけた本業強化のM&Aであり、日本の活力にも繋がるM&Aだと思います。厳しい環境下ではありますが、金融機関等とも相談させていただきながらあらゆる可能性を模索し、経営者のサポートをしていきたいと考えています。

 最後までご拝読賜りありがとうございました。本コラムが少しでも皆様のお役にたてば幸いです。ご意見やご助言などお寄せいただければ幸甚です。

以上

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